特発性の慢性蕁麻疹

蕁麻疹とは、膨疹という蚊に刺された様な赤いふくらみが病的に出没を繰り返す疾患で、多くの場合は痒みを伴います。
繰り返し症状が出現する状態が6週間以上続くものが慢性蕁麻疹と呼ばれています。
このうち、更に原因を特定できないものを特発性の慢性蕁麻疹と呼んでいます。

蕁麻疹が起こるメカニズム

何らかの刺激で、皮膚組織内に化学物質の中でも主にヒスタミンというものが放出され、知覚の血管と神経に作用した結果、皮膚に赤み、ふくらみ、痒みを引き起こします。

治療法

従来の治療法

標準治療として、抗ヒスタミン剤の内服薬が処方されます。効果が悪い場合は、種類を変更するか、可能な薬剤であれば倍量投与をします。
それでも不十分な時は、別の疾患に用いる治療薬を併用したり、免疫抑制剤や経口ステロイド剤を用いることもあるのですが、治療が難渋したり、副作用で治療が継続できないことがあります。

従来の治療法ではうまくいかない時の治療法

難治性のアトピー性皮膚炎の治療に用いられていたデュピクセントが特発性の慢性蕁麻疹にも使えるようになりました。
12歳以上の方から使用可能です。
従来の治療(標準治療)を受けていないとデュピクセントによる治療はできません。
蕁麻疹の出現に関与するヒスタミンを放出する肥満細胞はIL-4やIL-13と呼ばれる炎症を引き起こすサイトカインを産生し、これらのサイトカインは肥満細胞を更に活性化させ、痒みや膨疹を引き起こし、蕁麻疹の症状を増強させると考えられています。
デュピクセントはIL-4やIL-13の働きを直接抑えることで特発性の慢性蕁麻疹の症状を抑えると考えられています。
詳細は、デュピクセント.jpの特発性の慢性蕁麻疹のページをご参照ください。

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