赤ら顔とは、まさに「顔が赤い」ことの状態を指す言葉であり、原因疾患が、かぶれなのか、アトピー性皮膚炎なのか、ニキビなのか、酒さなのか、膠原病なのか、自律神経異常なのか、更年期なのか等、多種多様であり、原因不明のことがほとんどです。
当クリニックでは、「赤ら顔」で受診された方には、まず採血を受けていただき、どの疾患由来なのかを調べます。保険適応内で不明の時は、希望があれば自費診療の検査もいたします。
かぶれが疑わしい場合は、パッチテストが必要で、総合病院皮膚科へ紹介することになります。
また、更年期のことを調べたい方はまず婦人科受診をしていただきます。
採血結果にて原因疾患と思われるものがあれば、そちらの治療をします。
原因不明の場合は後述する酒さの治療を行い、それでも治りが悪い場合は、フォトフェイシャル®ステラM22による光治療(IPL治療)を行います。フォトフェイシャル®ステラM22とイオン導入を併用するとさらに効果的です。
何を塗っても痒くなるとかヒリヒリするとか、お肌が敏感になっている方には、LEDによる光照射での治療を行います。
ここで特に治りにくいとされる酒さについて取り上げます。
酒さとは、顔面に原因不明で持続性の発赤、毛細血管拡張、刺激感等が出現し、重症化するとニキビ様の丘疹や膿疱が混じる慢性炎症性疾患です。
中高年以降の女性に多いですが、重症の方は男性に多いです。
ステロイド外用剤の副作用が原因で上記症状が出現するものを特に「酒さ様皮膚炎」といいます。
難治性の疾患で、一般的には抗生剤の内服や免疫抑制剤等の外用剤を使うことがありますが、それでも治らないときに漢方薬を内服したりアゼライン酸(保険外)や抗原虫剤であるロゼックスゲルを外用します。
お薬での治療
- 抗生剤
- 一般的にはミノサイクリン系やエリスロマイシン系がよく使用されます。
- 免疫抑制剤等の外用剤
- アトピー性皮膚炎用のものが使用されます。ただ、使いはじめに熱感や刺激感等を生じることがあります。時に酒さが悪化する方がいます。
- 漢方薬
- 漢方薬は疾患により薬が決まっているわけではなく、証(体質)で薬が決まります。
- アゼライン酸
- 穀物に含まれる安全な成分で、海外では30年前からニキビの治療に使われていますが、酒さにも有用です。海外で薬として使われている濃度と同じものが日本では化粧品(ニキビ用クリーム)として認可されていますので保険は利きません。刺激感の出る方がいます。
- ロゼックスゲル®
- 抗原虫剤、あるいは、抗生剤として使われるメトロニダゾールという成分で、以前より酒さに有用だと知られており、保険診療での使用が認められています。妊娠中の方や授乳中の方は使えません。かぶれることがあります。極めてまれですが、全身的に蕁麻疹や四肢の痺れ等が出ることがあります。内服中の薬によっては併用できないことがあります。塗っている間は日焼けをしない必要があります。
- イベルメクチンクリーム
- イベルメクチンは毛穴の中のニキビダニに本来効果があるとされている薬で酒さにも有効です。妊娠中、授乳中の方には使えません。比較的安全性と即効性の高い薬です。保険外です。
詳細はこちら。 - イソトレチノイン内服療法
- 本来は難治性ニキビの治療薬ですが、この薬の持つ抗炎症作用が酒さに有効なことがあります。副作用等、非常に注意が必要な内服薬ですので、詳しくはこちらをご覧ください。
処置での治療
- フォトフェイシャル®ステラM22
- IPL(Intense Pulsed Light)という幅広い波長のマイルドな光が肌トラブルの原因となるターゲットに当たると、光エネルギーが熱エネルギーに変換され、そのターゲットにダメージを与えることによって、肌トラブルを改善し美肌効果をもたらします。
酒さや赤ら顔の治療でヘモグロビンや毛細血管を主なターゲットとして治療をします。
何度も治療をすることにより徐々に改善していく治療法で、メンテナンスとして間隔をあけながらも照射を続けることにより美肌を維持します。
その分、1回の治療は皮膚へのダメージが少なく、治療当日に化粧をして帰宅することができます。
間隔は1ヶ月に1回です。
施術後、薄いかさぶたができることがあります。1週間くらいで取れます。
施術後、赤みが生じることがあります。その日のうちから2,3日後には消えます。 - ステラM22で可能な美肌治療や副作用等の詳細はこちらをご覧ください。
- LED治療
- お肌が敏感で何かを塗るとかゆみや熱感・刺激感を生じやすい方に向いています。
赤色LEDに炎症や赤みを引かせる作用があります。より効果的にするために、赤色だけではなく、青色LEDと白色LEDを同時照射するのがよいでしょう。 - LEDによる美肌治療の詳細はLEDをご覧ください。